〔シュタイナー教育に注目〕
オーストリア発祥の教育理論・実践
あなたはシュタイナー教育について聞いたことがありますか?
オーストリアの哲学者、神秘思想家ルドルフ=シュタイナーが提唱した教育で、現在日本にはシュタイナー学校が文科省の認可校2校の他、主にフリースクールという形で各地にできています。
独特の成長論
私は教員時代から、全部は受け入れられないけれど共感する部分の大きいシュタイナー教育に注目していました。
シュタイナーは
「人間は7歳ごとに成長する」
として、
- 1~7歳を『体をつくる時期』
- 8~14歳を『心をつくる時期』
- 15~21歳を『頭をつくる時期』
としています。
明確に分けられるかどうかはともかく、幼いうちに体をしっかり作っておくというのには賛成です。
外遊びをしてたくさん体を動かした子は、筋力や体力だけでなく、その後の心や頭の成長の土台になるもの(たくましさや探究心等)を蓄えていると思うからです。
14歳(日本で言えば中学2、3年生)までは心が不安定になりがちなので、この時期に様々な経験をさせて、感性や価値観を形成したいものです。
親は、子供とどのように距離をおいていくかを考えていく時期ですね。
示唆に富んだ本
最近読んだ『シュタイナーのこどもの育てかた』(ローター=シュタインマン、鳥山雅代訳、春秋社)も、示唆に富んだ本でした。
著者はドイツでシュタイナー学校の教師をしている男性。
全体的に、子供の成長に親がどう関わっていくかということが書いてあり、その距離感を大切にすることの重要性が書かれています。
大人は経験がある分、子供よりも物事を前もって察知することが得意です。
だからといって、先回りをして何にでも口を出したり、やってあげたりしては子供の成長を邪魔することになります。
どこまで教えるのが良いか、どこまで手助けするのが良いか、任せて見守るのが良いか、本当に難しいところですね。
それはその子の個性にもよるし、親との関係性にもよるので一概には言えないと思いますが、ことあるごとに振り返って
「それがベストだったか」
「次はどうしたら良いか」
を考えることが必要なのだと思います。
子供は親の願いに敏感で、時に自分のやりたいことよりも親が望んでいることを優先しようとします。
そして親は子供のことが心配で、不安が先に立ち、子供を信頼することが難しい時があります。
けれども、子供は自分で学べるのです。
親は子供を信頼する、子供も自分を信頼する、それができると良いなと思います。
『大人は子供の環境』ー私もまさにこの通りだと思って活動をしています。
大人は子供にとってより良い環境づくりをするべきであって、子供をコントロールしようとしたり、子供をほったらかしにしたりしてはならないと思うのです。
かくいう私も教員になってからは、仕事にかまけて娘をほったらかし気味でしたが。
社会の変化が激しく、生きにくさが増しているように感じる昨今、子供が自分自身への信頼を失わずに生きていけるように育てていくことが、さらに重要になっているのではないかと、この本を読んで思いました。
あなたはお子さんとの距離感を意識して過ごしていますか?
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