〔信頼関係の構築は必要不可欠〕
残念なニュースたち
毎日のように学校関係のニュースが耳に飛び込んできます。
昨日目にしただけでも次のようなニュースがありました。
- 「変形労働時間制」成立……私が見たネットアンケートでは、9割以上の現役教員が反対していましたが、その声は届きませんでした。
- 小学生が10万円以上を取られた……『いじめ』ではなく恐喝事件だと思います。
- 母親が自分の子供を殺害……無理心中を図ったという情報もあります。
- 教師が児童の腕を掴んで引き倒し体罰を行った……「これは指導の範囲ではないか」という声も聞こえます。
どのニュースからも、学校、家庭、地域、行政の信頼関係が全然築けていないのを感じます。
人間関係をどう築くのか
自分が教員だった時代を振り返ってみると、新しい学級を受け持つたびに、保護者との人間関係をどう築いていこうかとかなり考えました。
第一印象で信頼度が変わり、その後1、2年の学級経営に大きな影響を与えるからです。
信頼を得ようと思ったら、教員歴や子育て歴等の実績?を伝え、自分の得意分野等を話して安心させ、どんな学級にしたいか、どんな子供たちを育てたいかという目標を語り、専門性と人柄をアピールします。
それでも信頼関係を築きにくい保護者はいました。
信頼というのは、利害が一致したもの同士が価値を共有し、感情的にも信じ合うことを言うそうです。
教員と保護者とは「子供(たち)をよりよく育てる、子供(たち)がよりよく育つ環境を整える」という点で一致しますが、問題は、教員にとって対象は『子供たち』だけれど、保護者の中には対象が『(自分の)子供』に限定している人がいるということです。
その場合、基本がずれているのでなかなか話が合わず、信頼関係が築けないということになります。
様々な場所で必要な信頼関係
教員と子供たちとの信頼関係もそうです。
子供にはそれぞれ自分なりの価値観や考えがありますが、教師は学級全体を見ていかなければなりません。
余裕があれば、一人一人に
「あなたを尊重しているよ」
「でも今はクラスみんなで一緒に動く時だよ」
ということをその子の状況に合わせて伝えていけますが、そんな余裕がないのが実情で、中には
「強制された」
「自分のことを見てくれていない」
と感じる子が出てきます。
教員同士も同じで、
「この学校を子供たちにとってより良い学校にしていきたい」
という点で一致しているはずなのに、
「自分の学級で問題が起きなければいい」
「自分の学級の学力(テストの数値)が上がればいい」
と考えてしまう教員がいるので、なかなか協力し合えません。
地域の人や行政が学校に入るのを嫌がるのも、信頼関係がないために、
「評価される」
という意識が働くからでしょう。
相関図を解きほぐしていく
教員側から見ただけでもこれだけの『信頼関係を阻害する原因』が考えられるのですから、保護者側から見た場合(対子供、対教員、対配偶者、対ママ友、対子供の友達、対地域等)が入ってくるとそれはそれは複雑な相関図が出来上がってしまいます。
私は学校関係者が信頼し合って相関図をシンプルにしていく第一歩として、『自分を信頼する』ということがとても大事なのではないかと考えています。
自分の考えをしっかりもって、その上で感情を押し付けずに相手を受け入れる、組織を受け入れる……自分の中で不安や恐怖が大きいと、なかなかそれができないのではないかなと思うのです。
それぞれが自分を信頼できず、お互いに信頼関係を築けないまま、年齢とともに行動範囲や人間関係が広がり変化していく子供に対処していくのは、とても困難なことです。
『子供たち』を中心において、『子供たちのために』という一点で信頼関係を築いていける社会をつくっていければ、と考えています。
あなたはどのように信頼関係を築きますか?
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