〔桃の節句に思う〕
雛の里のお祭り
今日は3月3日、桃の節句ですね。
雛人形作りの町でもある我が八女市では、毎年恒例の市をあげての雛祭り、『雛の里 八女ぼんぼりまつり』が開催されています。
今年はコロナウイルス感染症の影響で、大きなイベントは軒並み中止になってしまいましたが、それでも街中にはいたる所に、大小様々な雛人形が飾られています。
雛祭りの起源と由来
ところで雛祭りの起源をご存知ですか?
元になったのは中国の陰陽道なのだそうです。
陰陽道では奇数の一桁が重なるのは不吉なこととされているので、1月1日(元旦)、3月3日(上巳)、5月5日(端午)、7月7日(七夕)、9月9日(重陽)には邪気払いを行いました。
これが日本に伝わってきたのが、奈良、平安の頃だと言われています。
邪気払いのために水辺で身を清める習慣が、人形(ひとがた)に厄災を移す習慣や、貴族の間で広まったひいな遊び(人形遊び)と結びついて、流し雛になったのだとか。
『桃の節句』『雛祭り』として定着したのは江戸時代のことのようです。
江戸の武家社会で雛祭りが始まった頃は、平たくて立てかけるだけの人形だったそうですが、やがて座った人形になり、八代将軍吉宗の頃には豪華な大型のものが流行り、とても小さく精巧なものが流行り……と時代によって形も様々に変化しました。
八女では江戸時代から昭和30年代まで、『箱雛』という雛人形が作られていました。
箱雛は、お雛様とお内裏さまがそれぞれ木の箱の中に入っており、蓋を開けてそのまま飾れるようになっている八女独特の郷土雛です。
伝統工芸の町、八女の職人さんたちが、仏具の布、提灯の部品など周りにある材料を利用して作ったもので、これが九州各地に広がりました。
保管した状態のまま飾れるので便利です。
今年も、八女のお店や家々にはこの箱雛をはじめ、様々な年代の雛人形が、町の100ヶ所以上で見られました。
『雛の里 八女ぼんぼりまつり』は3月22日まで開催中なので、ぜひ遊びにおいでくださいね。
雛祭りに食べると良い縁起物
最後に雛祭りに食べるものの意味をご紹介。
準備が間に合う方は、縁起を担いでお召し上がりくださいね。
- 菱餅……菱餅の色はそれぞれ、蓬の緑色、菱の実の白色、くちなしの赤色を表し、厄除け、疫病除けを意味します
- 雛あられ……倹約の心を表しています
- 白酒……長寿を願います
- はまぐり……対の貝殻しか合わないことから、縁結びを願います
- ちらし寿司……海老は長寿祈願、れんこんは見通しの良い人生、豆は健康勤勉を表しています
時代とともに変化してきた行事ですから我が家ではちょっとアレンジして、女の子だけでなく人類の厄払い(今ならコロナウイルス感染症鎮静でしょうか)、人類としての成長、一人残らず豊かで幸せな人生を送れることを祈願する一日にしたいと思います。
あなたはどのように雛祭りを過ごしますか?
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