LGBT

【LGBTQについてどのくらい理解していますか?】

〔たくさんの発見〕

LGBTQを考える映画

12月4日から10日までは人権週間ということで、八女でもLGBTQを考える映画『虹色の朝が来るまで』が上映されました。
この映画は性的少数者、聴覚障がい者への理解を深めるためにと、ご自身が聴覚障がい者でLGBTQの今井ミカ監督が作られた作品です。

虹色の朝が来るまで
LGBT×聴覚障がい

LGBTQというのは、

  • L=レズビアン(女性を好きになる女性)
  • G=ゲイ(男性を好きになる男性)
  • B=バイセクシャル(女性を好きになることも男性を好きになることもある人)
  • T=トランスジェンダー(生まれた時に割り当てられた性とは異なる性の生き方をする人)
  • Q=クエスチョニング(自分の性のあり方が何に当てはまるか決まっていない人)

です。

以下はネタバレになりますので、これからこの映画を観る予定があって、事前情報を知りたくない方はご注意ください。






聴覚障がい者の恋愛

映画は、手話サークルで知り合った聴覚障がい者の女性同士の恋愛をテーマにしています。
心は女、体も女、恋愛対象は同性という2人です。

この映画で描かれた日常を見て、聴覚障がい者が働きやすい職場があること、何かをしながら雑談するのは大変そうだということ等、様々な気づきがありました。

聴覚障がい者でLGBTQの人たちが集う場があると知って出かけた2人は、そこで様々なタイプの性的少数者と出会い、話を聴き合います。
その場にいたのは、

  • 母親から
    「気持ち悪い!」
    「出ていきなさい!」
    と言われた主人公
  • 気持ちを打ち明けた先輩に振られて自殺未遂をしようとした少年
  • 戸籍と体を変えた時に母親に泣かれた青年……

それぞれ辛い思いを抱きながら、自分らしく生きようとしている人たちでした。

そこだけを取り上げるとしんどい映画なのですが、少数者が集う呑み屋を作った元男性のママや、女性が大好きなチイママの明るさ、画面全体から溢れてくるような愛のため、鑑賞後は温かさに包まれた気持ちになります。

上演に先立ち監督からの挨拶
上演に先立ち,監督ご自身がこの映画の観方や視点などを説明してくださいました

トークショーでも多くの気づきが

上映後はトークショーがあり、今井監督と出演者のノゾムさん(八女市黒木町出身)が出演されました。
今井監督は両親、兄弟、全員が聴覚障がい者なのだそうです。

私は今回初めて知ったのですが、日本語で
「私はあなたが好きです」
というのは、手話では
「私 好き あなた」
というように、手話は日本語とは違ったものなのだそうです。
ですから、
「手話を使った映画を自分で作ろう」
と映像制作を学んだ大学では、耳の聴こえる方用の勉強に全然ついていけなかったとのことでした。

出演者は90%がろう者で日本語が読めませんから、
「ここはこんな場面です」
と手話で説明し、それを日本語に訳してもらって後から日本語脚本を作りました。

聴覚障がい者の方には音が不要ですから、監督は映画にも音楽は不要と考えているとか。
ただ、今回の作品は耳の聴こえる方にも広く観て欲しいと考えたので、音楽をつけるチャレンジをしました。
でも、考えてみてください。
耳が聴こえない方が、映像のイメージに合った音楽をつけるというのがどんなに難しいことか。

映像を撮って、編集も全て終えてから音楽をつけたそうです。
監督はピアノを演奏している方の表情を観察して、
「この場面にこの音楽をつける」
ということを判断し、耳の聴こえる方に確認してもらって直すという大変な作業をしたそうです。

監督は出演者を、
「相手と自分の違いを受け入れられる人」
という基準で選びました。
聴覚障がい者の俳優さんというのはあまりいませんから、ほとんどの方が演技をするのが初めてだったそうです。
監督の「『初めてだから無理』でなく、『初めてでもできることがある』と考えました」
という言葉が心に残っています。
「出演者はみんな、何らかの辛い思いをしてきたはず。そこを引き出しながら取り組みました。『みんなありのままでいいんだよ』というメッセージが伝われば嬉しいです」
とのことでした。

監督と出演俳優によるトーク
映画視聴後は内容についてトーク






生き辛さを抱える人が減る世界に

現在LGBTの割合は、13人に1人とも、11人に1人とも言われています。
私の身近にもLGBTをカミングアウトしている人がいます。
もっともっとLGBTQについての理解が深まり、生き辛さを抱えている人が1人でも減ると良いなと思います。

あなたはLGBTQについて、どのくらい理解していますか?

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