〔密室が生み出す残念な事態〕
閉塞状態に一変した日常が招くもの
新型コロナウイルス感染症に関わる影響はあちこちで見られますが、その中の一つに『虐待』があります。
オンラインの相談所には
「ストレスで家族と喧嘩をしてしまう」
「子どもを虐待してしまいそう」
という相談が多く寄せられていると聞きました。
外出ができないこと、家で仕事をしなければならないこと、経済的な不安などでストレスが溜まるのはよくわかります。
わかりますが、だからといって弱い立場の子供に暴言暴力を与えることは肯定できるものでなく、当事者がどうしようもないのであれば周りが支援していく必要があると考えます。
先日、厚労省は各自治体へ、学校と連携して子供たちの状況を把握するよう求めました。
忘れられない児童福祉施設の子供達
私は教員時代、児童福祉養護施設に通っている子供達を受け持ったことがあり、虐待というのはそのとき限りのものでなく、心身に後々まで響くダメージを与えるものだということを実感しました。
その施設に入っている子たちは大抵は人懐っこく、保護者に酷い目に遭わされたことも平気な表情で話しました。
「熱いアイロンをあてられたんだよ。ここ,火傷のあとがあるでしょ」
「こっちは生ゴミ食べさせられたんだよ」
などと、虐待の酷さ比べをするような子たちもいました。
各自の性格にもよりますが、比較的明るい子が多かったように思います。
ただ、自分の気持ちをコントロールできずに暴走したり、特定の場面で拒否反応を示したりすることも多く、他ではなかった指導の大変さを感じました。
これらが,もともともっている資質で,そのために保護者が育てにくかったのか,それとも虐待によって生じたものなのかはよくわかりません。
子どもによって違うのかもしれませんし,両方の面があるのかもしれません。
愛情なしには生存すらできない
『フリードリヒ大王の実験』について聞いたことがあるでしょうか。
養育者が言葉をかけなくても赤ちゃんが言葉を発するようになるかどうかという実験で、実際にあったお話だそうです。
育児をする者にマスクをさせて、赤ちゃんの目を見てはいけない、笑いかけてはいけない、語りかけてもいけないと、ふれあいを一切しないで赤ちゃんを育てる実験をしたそうです。
すると、実験が終わらないうちに、赤ちゃんはみんな死んでしまったというのです。
ふれあいは、子どもにとって生きるために大切な条件なのです。
もしも虐待を受けていたら、どうしても虐待をしてしまうなら、誰かが虐待をしていることを知ったら、ぜひ学校や自治体に相談してください。
早期に発見し、専門家に対処してほしいと思います。
あなたの周りに虐待はありませんか?
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