〔選挙公報作りから見えたもの〕
午後は模擬選挙公報作りの実習
先日行われた『政治学級活性化研究会』の午後の部では、地域の課題を出し合い、それについての解決策を話し合って、選挙公報を作るという活動をしました。
私たちの6人グループで(おそらく他のグループでも)真っ先に出たのは、少子高齢化の問題です。
そして、地元産業の低迷。
個人的には駐車場や道路の整備も課題だと思っていたのですが、それに関しては地域によってばらつきがあるようでした。
市役所問題を取り扱う
その後、選挙公報を作るため、実際にO市で持ち上がっている『市役所問題』を取り上げることにしました。
O市の市役所は、1936年に再建され第二次世界大戦を潜り抜けた貴重な建造物で、戦時中使用された高射銃の台座、防空監視用のコンクリート製哨(防空監視哨)、防火用水槽などが今も残されているそうです。
その市役所が老朽化したので、本当は別の土地に新庁舎を建設して、この建物は文化財として残せば良いのだけれど、そこまでの予算はとれないのだとか。
そこで、今の庁舎を壊してその土地に新庁舎を建てたい派と、今の庁舎を一部改装して使いたい派に分かれているようです。
私たちのグループには『今の庁舎を壊して新庁舎を建てたい派』が割り当てられ、70代の新人(元国会議員秘書)という設定で公報を作ることになりました。
私たちはコンセプトを「高齢者も若者も子供も住みやすい街づくり」とし、新庁舎建設にあたって次のような公約を掲げました。
- 高齢者が利用しやすいよう、バリアフリーにし、エレベーターをつける
- 若者が集まれるようなフリースペースをつくる
- 子供たちが遊べるようなキッズスペースをつくる
- FreeWi-Fiを完備する
- 誰もが利用しやすいよう、市役所を中心に交通網を整備する
もう一つのグループは、『今の庁舎を残して一部改修する派』になり、歴史的建造物を残す意義を訴えました。
選択肢は多い方がより良い
公報を書きながら自分としては、
「今の時代に合わせて便利にし、みんなが使いやすい施設にするのは大切なことだけれど、歴史的建造物は残したいなあ」
と思いました。
いっそ両方を組み合わせて、一部改修で便利な庁舎づくりができないものか?と思うのですが、そうはいかない事情があるのでしょうか。そうなると、市役所は一部改修して最低限の機能をもたせ、新しい機能は別の場所につくるというのが現実的かもしれません。
こうなると、折衷案を掲げる3つ目のグループが欲しいなと思うので、実際の選挙でもできるだけ多くの選択肢がある方が、自分の意見に近いものを選びやすいのだろうと思いました。
私たちが作った公報は実際に高校生向けの主権者教育で教材として使われるということなので、うまく授業を組み立てて、主権者意識を育てていけるとよいなと思いました。
今回の活動中、主権者教育に関わる教材づくりをしたくてうずうずしてしまいました。
あなたなら、地域の課題を踏まえてどのような公報を作りますか?
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