〔約120年ぶりの大改正〕
桃太郎を題材に楽しく学ぶ
先日、税金の勉強会で商工会議所を訪れた際、面白いパンフレットが並んでいたので、いただいてきました。
表紙に漫画調で桃太郎が描かれており、とても楽しそう。
これは、法務省発行の『桃太郎と学ぶ民法(債権法)改正後のルール』というパンフで、4月1日から改正される法律のことが漫画で楽しく学べるようになっています。
今回は日常生活にも関わりの深い民法の大改正なので、このパンフからではなくても構いませんが、どこかで学んでおくと良いと思います。
私も心理学の講座などに『桃太郎』をよく使います。
桃太郎ほど、生まれから家族構成まで国民の多くに知られているキャラクターはいないのではないでしょうか。
お話の前提が共有されているので、『桃太郎』は例に出しやすいのです。
全部で5話構成
このお話は5話から成っており、桃太郎が鬼ヶ島から帰ってきたところからお話は始まります。
- 1話目では、桃太郎が鬼から『不法行為』で訴えられます。
鬼の宝物を持ってきてしまったからです。
法廷で一千万円を支払う判決を受けた桃太郎は、きびだんご屋さんを始めることにします。
商売を始めると様々な場面で契約を交わすことになりますが、実は私たちは商売をしていなくても、電車に乗る時やコンビニで買い物をする時等、日常的に契約を交わしているということがわかります。
4月1日からはこの契約の部分の法律が改正されます。 - 2話では、家庭用きびだんご製造機を買った猿が、毎日届くキビに困っている様子が描かれています。
猿はこれを買う時に、よく読まずに同意書にサインをしてしまったのです。
けれども、利用規約に同意しても契約の内容にならないことがあるということが、ここでは説明されています。 - 3話は犬、猿、キジが、きびだんご屋の利益で不動産業を始めた桃太郎の賃貸住宅に住むお話です。
せっかく新しい住宅に住み始めたのに、犬と猿が喧嘩ばかりするので、一緒に住むのをやめることになりました。
部屋には二匹が喧嘩をしてつけた傷が……。
犬たちはどこまで弁償しなければならないのでしょうか。 - 4話は桃太郎が犬たちに、鬼退治に行く前に準備金として貸したお金を返すように言います。
なんと犬たちはそれぞれ、鬼退治を動画やアプリ等のコンテンツにして稼いでいるのです。
けれども犬たちは『消滅時効』を振りかざします。
新しい民法では、時効制度も変わります。
桃太郎は貸したお金を返してもらえるでしょうか。 - 最後のお話では鬼たちが、
「人も鬼も楽しめるリゾートを造るので、遊園地内で売るお菓子を扱うお店の保証人になって欲しい」
と頼みにきます。
うまくのせられて契約書にサインをしてしまった桃太郎ですが、2年後、『鬼ヶ島リゾート』は倒産してしまいます。
桃太郎は補償額二千万円を要求されます。
新しい民法では、保証人を保護するための改正がされているので、要チェックです。
民法は私たちの生活の基本になるルールですが、1896年以来改正されてこなかったそうです。
それでは時代遅れにもなりますね。
今回は約120年ぶりの大改正ということなので、このパンフレットで要点だけでも学んでおくと良いと思います。
このパンフレットは法務省のHPにアクセスすれば、読むことができます。
あなたは民法をどのように学びますか?
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