ウルグアイの国旗

【どんなリーダーを望みますか?】

〔今こそ観るべき作品と出会う〕

真実の持つ偉大な力にあふれた作品

先日、3月27日に公開予定だったドキュメンタリー映画、
『世界でいちばん貧しい大統領 愛と闘争の男、ホセ・ムヒカ』
を鑑賞しました。
全国的に多くの劇場が休館したため公開できていなかったのですが、「今こそ観てほしい」と期間限定でデジタル配信されたのです。
以下はネタバレを含みますので、事前知識を入れないで鑑賞したい方は読まないでくださいね。

南米

  ここからネタバレ

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厳しかった時代が己を鍛えた

ホセ・ムヒカは南米ウルグアイの第40代大統領ですが、現役の頃からずっと、給料の大半を寄付し、自らは農業をしながら質素な暮らしをしています。
見るからに優しげな小さな目と温かい笑顔に、聖人のようなイメージをもっていましたが、実は勇ましい闘士の面ももっていました。

若い頃、ゲリラ活動に身を投じたホセ・ムヒカは、襲撃、誘拐などの犯罪を犯し、逮捕、投獄されます。
「時に悪は善に 善は悪になる」
「銀行強盗をしたことを後悔してはいない」
と言うホセ・ムヒカは、
「13年の監獄生活が今の自分を存在させている」
と話しました。
愛する妻と引き離され、1日にコップ一杯の水しか与えられない過酷な生活の中で、生き抜くために様々なことを考え、苦痛の中から様々なことを学んだそうです。

活動の合法化から大統領へ

軍事政権が終わると、彼は仲間とともに政党を結成し、入閣し、大統領選で当選します。

「大多数に選ばれし者は、上流階級のようにではなく、大多数と同じように暮らさなければならない」
を信条とし、貧民層のために多くの住宅を建てたり、農学校をつくったりしました。

ホセ・ムヒカはユーモアにあふれており、その演説はとてもシンプルで、作品内で奥さんが言っていた通り、『幅広い層の国民に伝える力』をもっています。
ホセ・ムヒカが世界的に有名になり、2度にわたりノーベル平和賞の候補となったのも、リオ会議での演説がきっかけでした。

「貧乏な人とは、少ししかものを持っていない人ではなく、無限の欲があり、いくらあっても満足しない人のことです」
「私たちは発展するために生まれてきているわけではありません。幸せになるためにこの地球にやってきたのです」
〜なんと示唆に富み、励まされる言葉でしょう!

一人ひとりに向き合う誠実さ

作品内では、ホセ・ムヒカがいかに国民から愛されているかが分かる場面がたくさん出てきますが、途中、反対派から
「お前のせいでウルグアイがだめになった!」
と詰め寄られる場面も収録されています。

その時ホセ・ムヒカは、相手に負けない勢いで反論し、手を出さんばかりに近寄って徹底的にやり合います。
一人一人の声に誠実に対応する姿だなと思いました。

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  ネタバレここまで

農作業に勤しむ大統領

この映画の中にはたくさんの名言が散りばめられていますが、特に心に残ったのは次の2つでした。
「人類に必要なのは命を愛する投資だ」
「政治の世界で探すべきは、大きな心と小さな財布を持つ人物」
『今こそ』この映画を観てほしいという配信元の思いがよく理解できる映画でした。

あなたはどんなリーダーを望みますか?

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