〔文科省のGIGAスクール構想〕
子供1人に1台の端末環境を提唱
文科省は『令和の時代のスタンダードな学校へ』ということで、昨年12月にGIGAスクール構想を打ち出しました。これは、1人に1台の端末環境を用意するというもので、時代は進んだなあと思いました。
私自身は大学で初めてデスクトップパソコンを使ったプログラミングを習いましたが、教員時代には小学校にもパソコンが入り始め、教員を辞める頃にはどの学校にもパソコン教室が1室ありました。
今や仕事をするにも遊ぶのにも、端末を使うのが当たり前の時代ですから、小学生のうちからパソコンやタブレットをルールに則ってきちんと使いこなせるようにしたいという考えには賛成です。
今は教科書にQRコードが載っていて、そこから動画資料に飛んだりすることができるそうで、特に実技が入る教科では有効に使えるなと思いました。
実際に使えるものを配備する必要が
ただ、文科省が標準仕様案として提示した端末のスペックが、低すぎるのではないかと議論になっています。
機械音痴の私には詳しいことはよくわかりませんが、学校にパソコンが導入された頃、Wi-Fiが不安定でイライラさせられたり、パソコンがやたらとフリーズして対応に追われたりした記憶が蘇ります。
授業で使うのは、主に調べ物と資料作成、プログラミング学習、それと個別最適化のための学習とのこと。
このうち、調べ学習と資料作成については以前から取り組まれていましたが、有害サイトをブロックするためのフィルターが強すぎて、十分に調べられないということが多々ありました。
子供たちの声を聴くと、この辺がまだ改善されていないようなので、フィルターの問題にも取り組んでほしいと思います。
資料作成には動画編集やアニメーション作成等も入ってくるようなので、それに問題なく取り組めるスペックがあると良いなと思います。
一人ずつを把握も地域差が懸念材料
個別最適化のための学習というのは、一人一人の子供の学習状況に合わせた学習のことで、個人PCに子供の成績データを蓄積し、分析し、次に行うべき学習を指示したりするものです。
担任が一人で子供全員の状況を把握し、一斉授業で理解させ、一人も取り残さないような授業をするのは無理なので、これが機能すれば、素晴らしいなと思います。
ここで少し心配なのは、実際に環境を整えるのは各地域なので、その地域の取り組みの中でGIGAスクール構想がどの程度優先されるかによって、地域差が生まれるのではないかということです。
また、校内に端末に詳しい教職員がいるかいないかも、現場にとっては大きな問題ではないかと思います。
それと心配なのはセキュリティ面でしょうか。
実際の授業では、おそらく端末大得意!という子がクラスにいて、先生の補助(もしかしたら教員よりも詳しいかもしれません)の役割をするのでしょう。
とはいえ、やはり端末のハード面に詳しい方と、ソフト面に詳しい方、1校に最低2人は専門家を入れて欲しいというのが希望です。
現場や地域が混乱することのないよう、そして構想が理想的に機能するよう、多方面の意見をしっかり聴きながら進めていって欲しいなと思っています。
あなたは『1人1台端末構想』に何を望みますか?
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