〔中学以来の不登校者から学ぶ〕
波乱万丈の半生スタート
中学1年の2学期から学校に行かなくなり、30代半ばの現在まで学校に行かなかった男性のお話を伺う機会がありました。
その方は家出をして14歳の時から年齢をごまかして料理屋で働き、厳しい縦社会の中で多くのことを学んだとおっしゃっていました。
その後、別の仕事でセールスの仕事をして接客の楽しさを知り、社内の全国コンクールで表彰されるほどになって、さらに上を目指して大きな会社に入ります。
ところが、その職場では接客だけでなく事務的な仕事やたくさんのことをする必要があり、中1の1学期までしか勉強をしなかった彼には『漢字の読み書き』『パソコン操作』の壁が立ちはだかります。
彼は生まれて初めて自主的に漢字ドリルを買い、先輩たちにパソコンを教えてもらい、夜通し勉強しました。
全国に展開している大きな会社なので、(学歴がない中、よく入れたなと思います)、周りは大学を出た人ばかり。
彼は必死で勉強し、異例の速さで昇進し、やがて支社長を任されるようになります。
そして憧れの人(別の支社の支社長)に勝ちたいとの思いから、社内の全国コンクールに参加し、見事優勝します。
その中で、社内の仲間と一緒に何かを成し遂げ、成果を得る楽しさを覚えたそうです。
多くの体験から学んだこと
コンクールでその支社を何度も優勝に導いた後、退社をして、現在は自分で会社を立ち上げています。
彼は不登校の子供たちに、
「学校に行かない選択をするのは問題ない。ただ、時間を無駄に過ごしてほしくない。せっかくの人生、何かに夢中になって過ごしてほしい。ゲームが好きで、ゲームをやりたいから学校に行かないなら、ゲームの世界を極めればいい」
とおっしゃっていました。
また、
「家族はいつでも味方になってあげてほしい。何があっても味方がいると思えば頑張れる」
とも。
「かっこいいから」
という動機で仕事を選び、
「目立ちたいから」
「学歴のある奴に負けたくないから」
という理由で目標を設定し、ひたむきに努力した彼の30数年間を、映画を観ているかのように聴きました。
その方は人よりも早く社会に出たことで、無理をして学校に通うよりも多くのことを学んだのだろうと思います。
何よりも自分の人生を主体的に生きたから、今の幸せがあるのでしょう。
「自分が何をしたいのか」
「その達成のために何をすべきか」
を常に考え、目標達成に向けて継続して行動したこと、今ある環境や周りの方々に感謝をしてすごしているところが素晴らしいなと思いました。
自分の選択を第一義に置く
私も、学校のシステムが今のままなら必ずしも登校しなくてもよいと考えてきました。
彼が必要を感じて漢字やパソコンを学んだように、学ぶ方法はたくさんあります。
受験が自分の人生の目的に合っているなら受験勉強を頑張ればいいし、別の目的があるなら部活に励んでもいい、同じように学校に行かないという選択もあって良いと思うのです。
子供たちが自分なりの学びができ、自分なりの努力をしていけるよう、私たち大人はサポーターでありたいなと、改めて思いました。
あなたは自分の人生を自分の選択で生きていますか?
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