〔大きな教育改革は成功するか〕
教育現場にパソコンが来た日
あなたが小学生だった時代には、パソコン教育が導入されていましたか?
私の小学生時代はありませんでしたが、教員になった頃はちょうど情報教育が重要視され始めた時期で、『総合的な学習の時間』が開設されました。
学校には今では見かけないような大きなデスクトップパソコンが数台入り、企業の方が来て教員みんなで研修をし、子供たちに学習ソフトで簡単な計算などをさせたものです。
教育用端末使用者に聞く
それから25年ほどが経ち、いまや『一人一台 教育用端末』の時代です。
わが八女市でも、いち早く『一人一台 教育用端末』を取り入れたので、実際に使っている子供たちのアンケート調査の結果を、興味深く読みました。
これは、小学校から高校までの間に、『一人一台 教育用端末』を経験した児童生徒へのアンケート結果です。
使っている端末はiPadが圧倒的に多く、それらは学校から配られたり、入学時に購入したりするようです。
「使っている間故障などせず問題なく使った」
と答えた子が多く、活用した教科は英語、国語、情報、数学の順に多いという結果でした。
端末がプラスに働いたという意見
『端末があって嬉しかったこと、端末があったからこそできたこと』のエピソードが紹介されていました。
それによると、
- 「タイピングが速くなった」
などの技術の向上 - 「調べ物に有効に使えた」
「学習が効率的にできるようになった」
などの学習効果
が見られました。
- 「他の県の人と交流ができた」
- 「普段発言しない人の意見を聞けた」
など、交流を広げたり深めたりするのにも役立ったようです。
- 「勉強が楽しくなった」
- 「自分のやりたいことが見つかった」
- 「空き時間を有効に使えるようになった」
などの意見を読むと、『一人一台 教育用端末』には良い効果が見込めるなと思います。
端末で困ったことや要望
『自分専用の端末に関して困ったことや、学校や先生に要望したいこと(したかったこと)も、紹介されていました。
一番多かったのは、
- 「制限がかかっていて閲覧できないページが多かった」
- 「どのような基準で制限を設けているかをきちんと伝えて欲しかった」
というもの。
児童生徒が学校で使うためのものですから、制限をかけることは必要だと思います。
ただ、
- 「制限が強すぎて調べ物に使えなかった」
という意見も多かったので、この辺は改善の余地がありそうです。
次に多かったのは教師による技術の差で、やはりネットは苦手という先生もいるので、過渡期の間は学校に専門の職員を置いて補佐するなどの工夫が必要そうです。
- 「ネットリテラシーの勉強が必要だと思う」
という意見もわずかながらあり、やってないの?と驚きました。
ネットリテラシーは導入時には必ず学習したいところです。
他には、
- 「Wi-Fiが弱く使えないことが多かった」
- 「iPadが大きくて重い」
- 「画質が悪い」
- 「せっかくあるのだからもっと活用してほしい」
などの意見も出されていました。
上記の他にも、字を書いたりする従来の学習とのバランス、セキュリティーの問題、買い替えにかかる費用などの課題も考えられますが、時代の流れを考えると『一人一台 教育用端末』は必要だと思うので、うまく活用できるよう、私もできることをしていきたいと考えています。
あなたは小中学校の『一人一台 教育用端末』施策をどう考えますか?
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