〔コトバを言葉で説明する〕
面白いカードゲーム
私は物販で知育玩具を扱っているのですが、その中に『ボブジテン』というカードゲームがあります。
テレビでも紹介されたそうなので、知っている方、持っている方もいるかもしれません。
『ボブジテン』は日本語が大好きなボブのために、カタカナ語を使わないでカタカナ語を説明するというゲームです。
私が試しに購入したものは『ボブジテン きっず』なのですが、これが大人がやってもなかなか難しい。
生活に入り込むカタカナ語
先日、友人たちとやった時に私が一番困ったのは『セーブ』という言葉の説明でした。
ただ
「保存すること」
と言っても、料理の保存なのか、文化財の保存なのか、何かわかりませんから、『パソコン』と言いたいのですが、『パソコン』という言葉自体がカタカナ語なので使用できません。
『パソコン』のカタカナ語でない言い方って何?と迷った末、キーボードを打つ手振りをしながら
「アップルマークとSを押して行うもの」(たまたまマックユーザーばかりだったので、ショートカットキーで表そうとしました)
と言おうとして、『アップルマーク』も『エス』もカタカナ語だと気付きました。
そこで
「りんご印と……(Sってどう言えばいいの?)」
で詰まってしまい、このカードは流れてしまいました。
普段何気なく使っているカタカナ語ですが、それをカタカナ語を使わないで説明するというのは本当に難しいことだというのがわかります。
「日本人はカタカナ語を使いすぎる。もっと和語や漢語を大切にすべき」
という論調がありますが、確かにカタカナ語が増えたなあ、という実感はあります。
時代が変わった
私の子供時代は甘いもの、お菓子のことを『スイーツ』とは言っていませんでしたし、『スマホ』にいたってはそのもの自体がありませんでした。
そう考えると、これからも和語や漢語からの言い換えや、海外から入ってくる物が増えて、ますますカタカナ語が増えていきそうです。
現在使われている日本語は、和語が33%、漢語が49%、外来語(混種語と和製英語を含む)が18%という研究結果があるようです。
国語辞典等をみても、2割くらいがカタカナ語だそうです。
私は、言葉というのは時代が進むにつれて変化していくものだと考えているので、無理に昔の言葉を残すのが良いとは思いません。
けれども、場面に応じた言葉遣い(年配の方にもわかる言葉を使う、公の場では省略語を避ける等)は必要で、それは子供達にきちんと教えていきたいものだと思っています。
国語施策の側面では
文化庁の国語施策の中の『言葉遣いに関すること』には、『その他』のところで『ら抜き言葉』『若者言葉』等に続けて『外来語・外国語・和製英語・省略語』の項目があり、
「使用は避けられない場合もあるだろうが、新奇な片仮名言葉や和製英語、省略語は安易に使わないようにすべき」
という表記があります。
なにが『新奇』に当たるのかは押さえておきたいところです。
ちなみに前述の『パソコン』は『電子計算機』と言い換えれば良いそうです。
けれども、年配の方に若者言葉が通じないのと同じで、若い人には『電子計算機』は通じないかもしれませんね。
それにしても『きっず』でこれだけ難しいのであれば、大人用の『ボブジテン』はどんなに手強いのだろうと思ってしまいます。
『なにわのボブジテン』もあり、ちょっと興味をもっています。
あなたはどのように意識して言葉を選びますか?
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