〔特産品に思う〕
熊野の例
突然ですが、あなたは『熊野』というと何を思い浮かべますか?
私は『筆』です。
熊野町は広島県安芸郡にある、人工25,000人弱の町で、筆の生産量全国一位を誇る筆の里です。
人口の約1割が筆産業に携わっており、伝産法により伝統工芸士に認定された筆づくりの名人が20人いるそうです。
Wikipediaを見ると、『主な企業』としてあげられている10軒のうち、8軒が筆の工房や筆に関わる企業でした。
観光スポットは筆の里工房、主な催事は筆まつりという徹底ぶりです。
この熊野が教育界で注目されていますが、その理由は低学年から『書道科』を設けているからです。
文科省から出される学習指導要領には『書写』の時間が入っており、3年生から毛筆を始めることになっています。
けれども熊野では、低学年のうちから毛筆を教えているのです。
毛筆学習の目標は
目標としては
- 筆の町熊野を知る
- 文字を書く技を学ぶ
- 学習規律を身につける
- 豊かな人間性を身につける
などがあり、年に15時間、書道科講師として非常勤の先生が指導しているそうです。
教科書や成績評価はなく、専任講師がいるというのが、担任に負担がなくて良いなと思いました。
大きな効果
書道科を取り入れることによって、子供達の姿勢が良くなった、態度が落ち着いた、集中力が増した、忍耐力がついた等の成果があったと聞きました。
Facebookでその授業の様子が見られますが、子供達の立派な授業態度に驚かされます。
文字感覚を育むという点でも書道科導入には意味があると思いますが、地域の伝統文化に親しませるという一点だけでも、価値ある科目ではないかなと思います。
私は小さい頃から書道を習っていて、熊野町で開催される『全国書画展覧会・ふれあい書道展』にも何度か作品を出品したことがあります。
町全体が『筆』を中心に団結している感じが素敵だなと思いますし、グローバル化が進む中、日本文化の価値を広めていけるのではないかなと思います。
伝統工芸の町八女でも、こうした取組ができると良いなと考えています。
あなたの住む地域ではどんな教育が取り入れられそうですか?
この記事へのコメントはありません。