〔近所にあるすごい場所〕
紅葉を見に
私の家から10分ほど歩いたところに、彫刻家の馬場金作さんのアトリエがあります。
アトリエの裏には小高い山があり、今が紅葉の見頃だというので、遊びに行ってきました。
芸術作品としての山
この山は馬場さんが買い取り、2年かけて道を作り、30数年かけて原生林を育てたというもので、山全体が芸術作品です。
地面は赤い土に緑色の苔がむしており、木は生き生きと枝を伸ばし、赤、黄、緑の葉が重なって陽の光に透け、良い香りを放ち、様々な鳥が鳴いています。
「この山は天井のない鳥かごです」
と馬場さんはおっしゃっていました。
馬場さん手作りの杖をつきながら山道をゆっくり登り、木々や植物の説明を聴きました。
- 爪楊枝の原料になる黒文字という木は、枝を折ると白檀のような芳香を放ちます。
- 千両は丸くて赤い実をつけますが、ここには赤色に混じって黄金色の千両が実っていました。
- マユミの木の葉は五色に変化するそうで、お茶の花にぴったりだということです。
- 桜の木の周りには桔梗のような紫の花が咲き、春には天国のような景色が見られるのだそうです。
馬場さんは歩きながら余分な枝を払い、まるで華道をしているかのように木々の形を整えていきます。
でも切り口は、刃物でスパッと切ったようなものでなく、自然な感じに見えるように切るのです。
この山は人工を感じさせるものは何もなく、それでいて美しく整った、大きな素晴らしい作品でした。
atelierもまた作品
アトリエもご自身で建てたというもの。
入り口前にも興味をそそるものがたくさんあるのですが、家の中も思わず
「わあっ」
と声を上げてしまう美しさ。
自然のもので埋められているのですが、一つ一つはとても可愛かったり綺麗だったりするデザイン。
それが全体としてまとまりのある作品になっていて、美術作品の中にすっぽりと包まれているかのような快い時間を過ごしました。
芸術家
スケッチブックを見せていただくと、写実的な人物画も素晴らしい。
「鉛筆1本あれば、世界中どこにでも行ける。世界各国に行ったけれど、自分よりデッサンの上手い人間に会ったことがない」
とおっしゃる馬場さんは、元は絵画が専門だったそうです。
デッサンのために人体の彫刻をつくったところ、彫刻の専門家の目に留まり、
「君は彫刻の世界に来るべきだ」
と勧められて立体造形に転向したのだそうです。
このアトリエの中にある植物は、もう1ヶ月以上もこの生き生きとした美しさを保っているのだそうです。
霊山、パワースポットとして名高い飛形山のふもと、この場所には良い気が満ち溢れているようでした。
あなたのパワースポットはどこですか?
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