〔ハラスメントを考える〕
加害者にならないための7ヶ条
数日前、京都大学の学生寮で配られた、ハラスメントに関するパンフレットがTwitter上で話題になりました。
この寮は学生が運営している自治寮で、性別も国籍も様々な約400人が生活しているそうです。
その学生たちがハラスメントの被害者、加害者にならないようにと配られたものなのですが、ここに書かれている7ヶ条は、目新しいことではなく当然のことばかりです。
そして、当然だけれど、意識していないとうっかりやってしまいがちなことです。
それが、わかりやすく説得力のある文章で書かれているところが、話題になった理由ではないかと思います。
『ハラスメント加害者にならないために』に書かれた7ヶ条は以下のものですが、これだけだと、まるで小学校の道徳の授業のようです。
この各条文のあとに書かれた文章が良いので、興味のある方はぜひ『熊野寮 ハラスメントパンフ』で検索して読んでみてください。
- 人の体にはさわらない
- 共用スペースでは下ネタ・猥談はしない
- 人の容姿、私生活を評価することを言わない
- 「女性/男性はこうである」など性別によって人のあり方を決めつけない
- 怒られない雰囲気に甘えない
- 大学生には彼氏/彼女がいて当たり前と思わない
- もし「それ問題だよ」と指摘されたら「意図」で反論しない
問題の存在を理解することは難しい
子供の頃から、周りの人の話や、テレビやネットのネタに触れる中で、
- 『下ネタで盛り上がる』
- 『人を笑いものにする』
- 『性別に先入観をもつ』
などの考え方や行動が、知らず知らずに身についてしまっている人もいるでしょう。自分にもそういうところがあると思います。
それが当たり前のことになっている人に、
「これはハラスメントだ」
ということを理解させるのは本当に難しいことです。
そういう意味で、私は第5条と第7条がとても大切だと思いました。
ハラスメント的思考をなくしたい
ハラスメントをしてしまう人は大抵
「相手が嫌がっていなかった」
「ハラスメントをしているつもりはなかった」
と言います。
しかし、相手が拒否の態度をとらなかった、とれなかった、もしくはそれが気づかないくらいの抵抗だったとしても、だからしても良いということにはなりません。
このパンフレットを作った方は、わかる人にだけわかる文章にはしないということを心がけたそうです。
「一瞬しか読まれないもの」にどれだけエッセンスを溶かし込むかを考えて、工夫されたのがよくわかります。
「それはハラスメントです」
「人を傷つける行為です」
ということがもっと広まることで、我慢している人たちが声を上げやすくなると良いですね。
そして周りの人もハラスメントをやめさせるという風潮が広がれば、日常生活の中で無意識にハラスメント的思考がインプットされてしまう、ということがなくなっていくのではないかと思います。
あなたは自分の中や身の回りにあるハラスメントに、どう対処しますか?