〔今に生き未来を作る偉人の言葉〕
SDGsは渋沢栄一の発信から?
SDGs支援センター主催のシンポジウム『論語と算盤はSDGs』に参加しました。
SDGsは地球がずっと存続していくために、全人類が協力しあって解決していくべき目標のこと。
そして『論語と算盤』は日本実業界の父と言われる渋沢栄一さんの著書です。
今回は、渋沢栄一氏の玄孫である渋澤健さんと、幸福学研究者の前野隆司さんの対談を聴くことができました。
渋沢栄一というと、2021年にはNHK大河ドラマで取り上げられ、2024年には1万円札の肖像になる予定の実業家ですが、その渋沢氏の著書『論語と算盤』には、
「利益はみんなの幸せのために使う」
「正しいものでないと持続しない」
といった経営哲学が書かれているそうです。
その渋沢さんの
「道徳と経済は合一すべき」
という理念が、現在世界中で取り組まれているSDGsと同じだということで、注目されているのです。
つながりを得てこそ人類は輝く
そんな『おじいちゃんのおじいちゃん』の言葉を研究している渋澤さんと、前野さんの対談の中に出てきたのは、
「人間はやりたいことを見つけて、つながっている時に幸福を感じる」
という言葉。
そこに尽きるのかなという気がします。
個人の夢や生きがい、つながることで回る経済、つながることでつくられる社会や環境……どれも大切にしないと、地球上の諸課題は解決せず、真の意味で幸せにはなれないのでしょう。
SDGs実践者としての日本の地位
お話の中で希望が見えてきたのは、SDGsの理念普及に関しては国際社会の中で遅れをとっているかに見える日本だけれど、実はそれをずっと実践してきた人が多くいるということ。
他から取り入れてそれをアレンジし、独自の文化を築く日本のやり方で、これからの取り組みも期待できるのではないかということでした。
特に今の若者たちに期待できるのは、私たちの世代とは違ってさらっとすごいことを言い、面白いことを企画し、物事を楽しんで行っている点。
私たちの世代がやるべきは、そんな若者たちが行動できるような環境、仕組み、しかけをつくることではないかということでした。
理念を大事に実践を続ける
質問コーナーでは、
「経済的に豊かでないと大きな目標に目が向かない」
「大きな目標にはリアリティがない」
という意見が出てきましたが、二人の講師は
「論語と算盤に順番はない(道徳と経済では,どちらが優先されるという順位性はない)」
「大きな目標に本気で取り組んでいると、経済的にも伸びる」
と答えていました。
なるほど、その通りだと思います。
SDGsの理念の一つは『誰一人取り残さない』です。
そのために、まずは身の回りの一人と手をつなぐことから始めていきたいなと思いました。
あなたはどのように幸福を追求しますか?