〔SDGsをより身近に実感する〕
午後はよりローカルなワークを
先日、柳川市の古民家で行われた
【SDGsを具体的なアクションにつなげよう!】ワークショップで、午後は
「SDGs de 地方創生」
のゲームを行いました。
これは国連で採択されたSDGsの地方版で、地域づくりにSDGsを活用するヒントを見つけるために、日本各地で行われている実際の活動を元に作られたカードゲームです。
ゲームを終了したあと、参加者一人一人が良い方向に行動変容を起こすことを目指しているそうです。
ローカルゲームのゴールやルール
このゲームのゴールは2つあり、1つは自分の志(ゴール)を達成すること、もう1つは持続可能なまちを実現することです。
参加者はそれぞれが必要な役割を担い、お金カードとヒト資源カード(地方議会、営業&マーケター、クリエイター、研究者等)を使ってプロジェクトを遂行し、成果カードと対価(お金、ヒト資源)をもらいます。
行政担当者は民間よりも多くのお金を与えれられ、地域全体の未来を考えて最適な予算配分をし、補助金を出したり融資をしたりします。
プロジェクトが遂行されると、まちの状況メーター(人口、経済、環境、くらし)の磁石が増減しますが、前回とは違って成果もメーターも事前には知らされません。
ですから遂行したプロジェクトの内容によっては、報酬を何ももらえなかったり、メーターがマイナスにしかならないこともあります。
何も具体的な対策をしないでいると、人口は徐々に減少をはじめます。
私たちはそのプロジェクトが自分たちの地域にどんな結果をもたらすかを、シミュレーションしながらバランスの良い地域を目指す必要がありました。
ゲーム上の展開には困難がいっぱい
今回、私は『観光事業者』を選び(他には『第1次産業従事者』等様々な職業の方がいました)、ゴールは『まちづくりプロジェクトを4件以上実現する』でした。
最初に各々にプロジェクトが4つ与えられるのですが、私は今回も、集めたい『まちづくり』の案件が手元に1つしかありませんでした。
それは『世界遺産登録』という大事業で、お金もヒト資源もたくさん必要、とてもすぐには取り組めそうにありませんでした。
周りの人たちも同じような状況だったので、私たちはまず、誰がどんなプロジェクトをもっているかを確認しあい、地域が活性化しそうな案件からみんなで取り組んでいきました。
地域が活性化してくると、どんどんお金とヒト資源が増え、プロジェクトも回せるようになり、私は『まつり再生プロジェクト』『若年夫婦向け空き家リノベ賃貸』『まちまるごと植物園』『世界遺産登録』の4つのプロジェクトを実現することができました。
ただ、常に人口メーターに気を配っていないとどんどん人口が減ってしまうので、自分のゴールを達成した後は移住者受け入れや雇用に関するプロジェクトを行っていきました。
ゲームが終わった時点で私たちの地域は、人口5→7→10、経済5→10→15、環境5→8→12、暮らし5→8→17と、素晴らしい成果を挙げました。
生まれた変化の理由を話し合う
振り返りでは、なぜこのような変化が生まれたのかを話し合いました。
- 行動しまくったおかけでお金が回るようになった
- どんな結果が出るのかわからないので、プロジェクトの内容をきちんと見て実行したのが良かった
- 働きかける、話しかけるということが活発にされていたのが良かった
- 全体の情報整理がよくできていた
- 一般市民や企業はどうしてそのプロジェクトが必要かをしっかり伝え、行政はニーズを活かした融資や補助金を出せていた
- 1つのプロジェクトに対し反対意見、賛成意見があったが、パートナーシップを心がけたのでうまくいった
- プロジェクトを遂行したためにメーターを減らしてしまった失敗もあったが、致命的な失敗がなかったのが良かった
ゲームでは得られないこともあるが
私たちの地域はゲーム上ではとても良い地域になりましたが、実際には手元にヒト資源カードがあるわけでなく、プライバシーとの折り合いや利害関係等もあり、ここまでうまくはいかないでしょう。
でも、実社会でも、お金だけでなく情報とヒト資源がとても大切なこと、共通の目標(状況メーターを上げる)をもつとパートナーシップを組めること、ノルマでなく主体的に関わるのが大切だということは同じだなと思いました。
これまで自分が行政の議論を聞いてモヤモヤしたものを感じていたのが、この『大きなゴールを共有する』という点が抜けていたためだということに気づきました。
私たちはどういう世界をつくりたいのか、そのためにこの国は、この地域はどうしていけばよいのかということを共有しなければ、瑣末な案件で賛成だ反対だと並行線の議論をして無駄に時間が過ぎていくことになるでしょう。
人は強要しても動かないから、SDGsを共通言語としてみんなで動いていけるよう、まず自分が始める、伝えるということをしていきたいと思います。
現代社会の問題は複雑につながっているから解決策もつながっている、自分と関係ないことは何一つないということをここで学びました。
現実の自分のゴールを設定し、自分なりにプロジェクトを考えて取り組みたいと思います。
あなたは地域の未来のために、どんなアクションを起こしますか?