〔分かっていると思い込む危うさ〕
IT関係者との懇談にて
先日、IT関係の講師をされている方とお話をする機会がありました。
学校教育の話になって、
「福岡も教員の不祥事が多いですね」
と言ったら、
「そうなんですか?」
という反応で、最近ニュースになった事件をいくつか挙げたのですが、その方はそれらを知りませんでした。
その後、話を進めていくと、彼は教員は全員が好きで部活指導をしていると思っていたことがわかりました。
「好きでやっている教師もいますが、多くの先生は半強制的にやらされているんです」
と言うと驚いていました。
また、勤務はきっかり8時〜17時だと思っていたようで、残業や休日出勤の実態を話すと、これにもたいへん驚いていました。
「昔と違って体罰もいけないみたいだし、先生って大変なんですね!」
と言うのを聞いて、教師の実態を知らない方はどのくらいいるのかな、と思いました。
その方は、教員にうつ病を発症する人が多いこと、若手の離職率が高いことなども知らなかったそうで、
「それで今、先生が足りないんですか!」
と言っていました。
教育関係者間では気がつかないこと
私はInstagramを見てもTwitterを見ても、つながっているのは教育関係者が多いので、劣悪な実態の話題に触れすぎていて、つい誰もが知っていることのように思ってしまいます。
でも、教員がいかにひどい状況に置かれているか(「教員は奴隷だ」と言った人もいます)を知っている方は、思っているよりも少ないのかもしれないなと思いました。
考えてみれば、先生が日常的に不満を外に出しているわけはないし、子供たちや保護者等には笑顔で接しているでしょうから、あまり辛そうには見えないのかもしれません。
きちんとした場で不平不満を言えば、管理職や教育委員会に目をつけられますから、現役の先生は声を上げにくい状況です。
だから、元教員である私はもっと、教員の悲惨な実態を発信していかないとならないなと改めて思いました。
経営者同士では思い至らないことも
同じように、経営者仲間の間では当たり前のように取り組んでいるSDGs(持続可能な開発目標)やESD(持続可能な開発のための教育)についても、まだまだ知らない人の方が多いようです。
物販もそうですね。
自分が扱っている商品には、そういうものが好きな人が集まってきますから、なんだかすごく人気のある商品のように感じてしまいます。
でも、多くの方はその商品の存在を知りません。それをどう知らせていくかが営業の力です。
そう考えていくと、私は、自分の知りたいことや好きなことに囲まれており、それはそれで幸せなことだけれど、時には自分のつくった世界から踏み出して、新しいものを取り入れていきたいなと思います。
そして逆に、私の好きなこと、大切にしていることを周りの方に伝える力もほしいなとも思うのですが。
あなたはどんなことを周りに伝えていきたいですか?
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