子どもの自己コントロール力協会

【中野博士の説にどのような感想をもちましたか?】

脳科学による解明

現代は脳科学による様々な知見が発せられています

〔いじめは人間に備わった機能?〕

脳科学者の主張

『ヒトは「いじめ」をやめられない』(中野信子著、小学館、2017年)を読みました。著者の中野信子さんは脳科学者で、この本では脳科学の観点からみた「いじめ」について書いています。

結論から言うと、「いじめ」は本来人間に備わった機能であり、なくすことは難しいとのこと。
多くの人が
「いじめはなくせないのではないか」
と感覚的に思っていたことを、脳内物質の働きを取り上げてわかりやすく説明してくれています。

社会的な生き物の宿命か

人間は進化の過程で「社会脳」を発達させた社会的な生き物です。

他の獣に比べて戦闘能力の低い人間は、種として残るために社会的集団を作り、協力的な行動をとってきました。
集団で生活するためには、その機能を保つために、協力できない人、邪魔になる人、ズルをする人を排除しなければなりません。
そのため、集団を壊す恐れのある人を見つけ、制裁行動を起こして、排除しようとする機能が脳に備え付けられており、制裁行動は集団になればほぼ必ず生じるというのです。

集団を守るために異質な存在を排除するという行動パターンもあるようです

いじめに関わる脳内物質

中野博士は「いじめ」に関わる脳内物質として、

の3つを挙げています。

いじめは必要から備わった

こうしてみていくと、「いじめ」は必要から備わった機能によるもので、社会的生き物である限りなくならず、快感さえ感じさせるものであることがわかります。
大人の世界にも、職場「いじめ」、ママ友間「いじめ」等があり、
「経験豊富な大人が何をやっているんだ」
という気持ちになりますが、こうした理由もあるのかもしれないということがわかりました。


この後中野博士は、様々な「いじめ」について分析し、回避策を述べています。
学校教育のあり方に関しても提案しているので、次回、ご紹介したいと思います。

あなたは中野博士の説にどのような感想をもちましたか?

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