〔保護者の主体性も育てた中学校〕
校則をなくした中学校のイベント
以前、このメルマガに書いた
「校則をなくした中学校」、
世田谷区立桜丘中学校の保護者たちが昨年、1つのイベントを立ち上げたそうです。
『桜丘中学校ミライへのバトン 〜選びたくなる、公立学校とは?〜』
というイベントで、昨年の11月30日に開催され、当日は1,000人を超える方々が集まったとか。
保護者たちの思い
このイベントを企画した保護者たちは、
「校則がない」
「定期テストがない」
として有名になった我が子の学校に対して、外から見られている学校と実情にギャップを感じていたとのこと。
保護者の1人は
「確かに子どもたちは、生き生きと楽しそうに学んでいたけれど、保護者の中には、注目されすぎていることや受験対策に不安を感じる方もいました。そうしたいろいろな思いを共有し、話せる場を持ちたいと思い、動き始めました。子どもたちのための学校とはどんなものかをみんなで考える会にしたかった」
と話していました。
良い環境の中で、不登校やいじめが減り、子どもたちに考える力がついて学力もトップクラスになった、ということだけを聞けば、多くの人が
「良い中学校だ」
と思うでしょう。
だからこそ、桜丘中はこれだけ有名になったのです。
けれども、人の考えはやはり多様で、保護者の中にも不安や疑問を持つ方々がいたということですね。
3人の登壇者の指摘
このイベントには
- 世田谷の保坂展人区長
- 麻布学園の吉原毅理事長
- 教育評論家の尾木直樹氏
が集まりました。
桜丘中学校の様子をスライドで見て、西郷校長の話を聞き、3人の登壇者が話したのは次のようなことです。
- 既存の社会にうまくハマるための人材ではなく、新しい社会を創っていける人間を育てることが教育。多様性を認めて、それぞれの力を生かして協力し合うことは、これからの日本の社会や企業を組み替えるための大切な取り組み
- 私たちの大人の生き方、価値観の見直しが迫られている
- 自由闊達、自主自立にしないと子どもたちは育たない
- 桜丘中のように1人1人の子どもを尊重して、可能性を引き出す教育、誰1人として排除せず、包み込むことが必要
これらのお話を聴いて、保護者の皆さんも安心されたのではないかと思います。
私も西郷校長の
「子どもたちは、みんな自分たちで『変える力』を持っている」
という意見に賛成です。
その力を、周りにいる大人が潰さないようにしたいものです。
学校の保護者が自発的に企画を立ち上げ、1000人もの人を集めたイベントというのは、珍しいものではないかと思います。
今回のイベントを見て、桜丘中の取り組みは、教員、子どもたちだけでなく、保護者の主体性も育てたのだなと思いました。
あなたはこのイベント内容に何を感じましたか?