〔介護についての考え〕
身につまされる漫画
『ボケた家族の愛しかた』(医師 長尾和宏監修、つどい場さくらちゃん代表 丸尾多重子著、北川なつ まんが、高橋書店)を読みました。
この本には6通りの介護の事例がかかれています。
母、夫、義父母、妻、父、遠距離……関係性も介護の内容も様々ですが、介護の中で突き当たる壁の描写に、
「そうそう!」
「うちと同じ!」
という共感がいっぱいでした。
私の共感ポイント
私の共感ポイントは次のような点
- しっかりしていた母が変わっていく姿を見る辛さ
- 自分の時間がとられる大変さ
- いくらやっても認めてもらえない点
2つ目、3つ目は当たり前のことなのですが、いつまで続くかわからない、しかも状況が深刻になっていく介護にあって、それに直接向き合っている者の本音だと思います。
私はこれから、『親に忘れられる切なさ』も、経験することになるのかなと覚悟しています。
それでも、我が家の場合は良い施設と縁があり、安心して母を任せられるので幸せです。
面会に行っては母を喜ばせてくれる家族や、遠く離れてはるけれど母の状況を報告し、今後どうするかを話し合える弟の存在も大きいです。
この本を読んで、認知症といっても種類があり、それぞれ違う症状が出ることがわかりました。
私の母の場合は脳腫瘍摘出手術と認知症の両方の症状が出ていると思われますが、今はこうして情報を得ることができるので本当に助かります。
リビング・ウィル
もう一つ、『リビング・ウイル』というものも、この本で初めて知りました。
例えば私は人間らしい生き方ができなくなった時に、胃ろうや人工呼吸器などの人工手段で無理やり生かされるのは嫌だと考えています。
そのような自分の希望を尊重してもらうために、判断能力のある元気なうちに書き残しておくのが『リビング・ウイル』です。
医療側も本人の意思がわからない時には、医学的に不要と思っても、胃ろうや人工呼吸器などを使わざるをえないことが多いのだそうです。
厚生労働省や医学会・協会などが出している終末期医療についてのガイドラインには、リビング・ウィルで示された本人の意思を尊重するよう書かれており、これらのガイドラインにしたがって延命治療を中止しても、医療側が罰せられれたことは一度もないとのこと。
もっと『リビング・ウイル』を広めていきたいと思いました。
老老介護と老老認認介護の時代もすぐそこに
また、高齢化社会の日本ではこれから、老老介護、老老認認介護(認知症の老人が認知症の老人を介護すること)という場面も増えてくることでしょう。
それにどう対応していくか考えていきたいところです。
介護で気持ちがしんどくなっている方、情報が手に入らなくて困っている方は、つどい場や家族会に出かけ、話を聞いてもらったり、アドバイスをもらったりすると良いそうです。
つどい場を主催している方の、
「完璧でなくていいじゃないか。後悔のない介護はない」
という言葉を読んで、介護も教育と同じだなあと思いました。
あなたは家族や自分の老後について、具体的に考えていますか?