〔事実に基づいた世界観を作ろう〕
無意識下で育ててしまう先入観
ファクトフルネスという言葉を聞いたことがあるでしょうか。
昨年1月に本が出され、世界中で話題になりました。
これは、私たち人間が無意識に自分のうちに育ててしまっている『先入観』に気づき、公共統計を利用して理解を高め、”事実に基づいた世界観”を促進するものです。
私はTED Conference(世界各国の知識人によるスピーチ)でこのファクトフルネスの提唱者であるハンス&オーラ=ロリング親子のスピーチを観ましたが、最近新型コロナウイルス感染症との関わりで、また注目されているようです。
TEDで共有されたこと
スピーチではまず、先入観を測るクイズが出されるのですが、私を含め多くの人が事実とは違う情報を信じ込んでいることがわかります。
そうであってはならないと思いつつ、なんとなく悲観していた
- 「経済格差は無くならない」
- 「自然災害で人が亡くなるのは避けられない」
といったことが、データを見てみると決してそうではないということがわかります。
だからといって
「世界は良い方へ向かっている!」
と楽観できるものではありませんが、モチベーションは上がります。
ロリング親子の
「未来を変えるには現状を知らなければならない」
という言葉を聞いて、個人の目標設定と同じだなと思いました。
世界がどう変わってきたかを思い込みでなく客観的な数字で捉え、その数字が出てきた根拠を考え、理想の数字に向かうにはどうしたら良いかを設計する、そういう態度が必要なのでしょう。
大いに当てはまる思い込み
冒頭で紹介した本
『FACTFULNESS(ファクトフルネス)10の思い込みを乗り越え、データを正しく見る習慣』(日経BP社)
には、次のような思い込みが書かれており、自分にも当てはまるなあと思いました。
- 「世界は分断されている」という思い込み
- 「世界がどんどん悪くなっている」という思い込み
- 「世界の人口はひたすら増える」という思い込み
- 「実は危険でないことを恐ろしい」と考えてしまう思い込み
- 「目の前の数字がいちばん重要」という思い込み
- 「ひとつの例にすべてがあてはまる」という思い込み
- 「すべてはあらかじめ決まっている」という思い込み
- 「世界はひとつの切り口で理解できる」という思い込み
- 「だれかを責めれば物事は解決する」という思い込み
- 「いますぐ手を打たないと大変なことになる」という思い込み
これらの思い込みは、恐怖等に対する本能が働いていることもあるし、育った環境、学校教育、報道の偏りなどもあり、意識していないとすぐに私たちの中に巣食ってしまいます。
新型コロナウイルス感染症拡大の影響で、今またファクトフルネスが注目されています。
私も日々意識して、数字を根拠に考える習慣を身につけたいと思います。
あなたにはどんな思い込みがありますか?
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