〔真贋を見分ける目を育てよう〕
あやしいメールがやってきた!
先日、私のメールの受信箱に『コロナ融資、給付金について知りたいあなたに』というようなメールが届きました。
以前メルマガを購読していた会社の関連会社発行のものらしく、
「このメールは『○○メルマガ』を申し込んでいただいた方全員に送っています」
と書かれていました。
メルマガは確かに読んでいましたが、この会社は聞き覚えのない名前だったので、住所を検索してみたところ、東京の真ん中にあるレンタルオフィスの住所でした。
次に会社名で検索をかけてみましたが、他地域にある同名会社しか引っかかってきませんでした。
代表者の名前を検索してみましたが、これも引っかかってきませんでした。
というわけで、「怪しいぞ」と言うことを念頭に置きながら、どんな内容なのかと無料オンライン講座に申し込んでみました。
実際に無料講座で話されたこと
当日の視聴者は300人以上いて、チャットには期待の声がたくさん上がっていました。
誠実そうな青年二人が画面に出て、現在の情勢や融資・給付金制度について話します。
けれども、どの話も、私が知っている範囲を出るものではありませんでした。
出演者の一人がそれらを説明し、もう一人が
「それはすごい!」
「これを観ている人はラッキーですね!」
と盛り上げます。
最後に、制度を利用するための書類の書き方を教えますということで、びっくりするような高額の提示がありました。
融資がいくら出るかは一人一人の状況や取引金融機関との関係次第ですが、仮に200万円の融資を受けられたとして、その3割以上をこの会社の人たちに支払うことになります。
成功報酬ではなく、融資を受けられなかった場合は一部返金があるということでしたが……。
チャットの声は
「怪しい」「詐欺?」
と疑う派や
「高い!」
と言う派、
「そんな制度があったのか!」「お金欲しい!」「やりたい!」「○○万円出しても200万もらえるなら得じゃん!」
と喜ぶ派に分かれました。
私の見立ては厳しいものでした
私の個人的見立てですが、制度に関して嘘は言っていないので詐欺ではないと思います。
ただ、
「誰も知らない」「一刻も早くしないと」
は煽りです(チャットの中にも『自分でできますよ』『経済産業省に問い合わせれば教えてくれますよ』という書き込みがありました)。
書類が難しくて専門家でないと書けないような言い方や、融資がまるで返さなくてよいお金のように受け取れてしまう話し方などには意図的なものを感じました。
講座が終わってすぐにカード支払いのみで受付をしてしまうのも、冷静に考える時間を与えないためかな、と思ってしまいました。
自分にとっては何の参考にもなりませんでしたが、各種制度のことを知らない方にとっては意味のある講座だったでしょう。
ただ、融資に関して言えば、そんな高額な指導がなくても書類は作れるし、返済が必要なものなので、高揚した気分のままうっかり身の丈に合わない手続きをしてしまった人がいないかと心配です。
情報社会で害益真贋の判断は難しい
情報社会なので必要な情報は取りにいったほうが良いと思いますが、それが本当に自分にとって有益なものなのかどうかは、しっかり判断したいものです。
あなたは情報の有益と有害をどう判断しますか?