〔オーダーメイドの授業が始まる〕
画一的な一斉授業の終焉か
先日、アダプティブ・ラーニングについて学びました。
最近は学校教育で『○○ラーニング』という言葉をよく耳にするようになり、具体的な内容がよくわからないという方もいると思います。このアダプティブ・ラーニングは、デジタル技術を使ってデータを分析することで、子供一人一人の進捗を把握し、次に取り組むべき最適な教材を見極めるというものです。
現在、日本の学校現場は画一的な一斉授業が主流で、子供にしてみれば自分のペースで学習できず、授業の進度に置いていかれる子が出てきます。
それを補うために塾に行ったり、通信教育を受けたりして、親の負担も増えます。
教員側も、一斉授業のための準備をしつつ、個々の子供に関わる必要があり、教育内容が増えるにつれ仕事も増えていくばかりです。
ここにAIを使ったアダプティブ・ラーニングを取り入れて学習状況を分析すれば、一人一人の性質や理解度に合った学習環境がつくれます。
最近では学習者の表情を読み取り、問題に対してどのような感情を示しているかを分析することもできるようになりました。
この子がこの問題を解く時に、簡単に解いたのか、楽しんで解いたのか、悩んで解いたのかまでわかるということです。
さらに、他の学習者とどのような関係を築いているかなども分析できるようになるそうです。
私の子供時代にこれが取り入れられていたら、『この子は好きなことなら1人でどんどん学習するからこの分野は個人学習。苦手分野は放っておくとやらないから、まず、楽しいと感じるきっかけを与えるために……』などと分析されるのだろうなと想像します。
その分析は、従来の担任の主観による評価よりもずっと役に立つに違いありません。
学習効果も分析されますから、情報を積み上げるにつれて、より効果的な学習教材が提供されるようになっていきます。
子供たちは各自の個性に合った学習ができ、効率的に学習できる分、時間の余裕も生まれると思います。
また教師も、アダプティブ・ラーニングを取り入れれば、現在のタスクの20~40%を軽減できると言われているので、その分、子供たちに向き合う時間がとれるようになるでしょう。
注意する点も忘れずに
これからの開発に向けて、注意する点もあります。
国連教育科学文化機構UNESCOが挙げる、
◆AIを活用した教育に向けた教師の育成
◆データの収集、使用、普及における倫理と透明性への対処
は、
◆質の高いデータシステムの開発
とともに、充分考慮していかなければならない部分だと考えます。
文科省はようやく『1人に1台PC』を打ち出し、学校のICT活用の遅れを解消しようとしています。
早くも、
▼パソコンの型が古い
▼教師がパソコンを扱えない
等の課題が出てきていますが、一度活用されるようになれば変化するのは速いと思うので、現場の声を聴きながら丁寧に導入を進めてほしいと思います。
今こそ教育も時代に合わせた進歩を
江戸時代から変わらない寺子屋方式の一斉授業はもう通用しないのだということを理解し、時代に合った教育の環境整備がしっかりなされているかを見ていくのが、私たち大人の役目ではないでしょうか。
あなたはアダプティブ・ラーニングをどう考えますか?
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