〔学びのロールモデルになれるか〕
先進的で実験的な熊本市の取り組み
『flick!』2月10日付の記事で紹介されていた熊本市の取り組みに、久しぶりにワクワクしました。
熊本市では、iPadを全小中学校に配備し、授業に取り入れ、成果を上げています。
いくつかの事例が出ていたのですがこれが感動もので、この考え方が全国に広がれば、子供たちも先生方も、学校がもっと楽しくなるのではないかなと思いました。
熊本市での実際
国語科で研究授業によく取り上げられる、新美南吉の『ごんぎつね』という作品があります。
私の教員時代は、指導書通りに何度も音読をさせ、言葉調べをさせ、場面ごとに区切って登場人物の心情を想像していくという授業でした。
教師主導で、授業の課題慣れをしている子供たちは
「こういうのが正解だろう」
と読み取りをし、そうでない子たちは興味のない授業が早く終わらないかと考えている……というのが本当のところではないでしょうか。
ところが、今回紹介された授業では、先生は
「iPadを使って朗読発表をしましょう」
という指示を出すだけ。
子供たちはグループごとに音読を練習し、そこに音楽をつけ、動画にして発表し合うのです。
子供たちが、ユーチューバー気分で動画を作っていく様子が目に浮かびます。
動画にするためには鑑賞に耐えうる朗読をしなければなりませんし、音楽をつけるためにはその場面にどんな音楽がふさわしいかを考えなくてはなりません。
そのために、子供たちは自然に音読を繰り返し、読み込みをしたそうです。
その結果がテストにも表れ、クラスの平均点が15点上がったうえ、今まで低い点数しか取れなかった子供たちが高得点を取れるようになったのだとか。
やはり何事にも主体性が大切なのだなと、改めて思いました。
算数でも、『分数を動画で下学年に説明する』という課題に、子供たちは積極的に取り組んだそうです。
動画作りはグループで行うので、1人でパソコン学習をするのとはまた違った学びができるだろうと思います。
他にも、植物の成長を記録したり、zoomで施設の方のお話を聴いたり、修学旅行に行って撮影した映像を下学年の子どもが活用したりという実践もあるそうです。
これらの実践を見ていると、学びはアウトプットあってこそだなと思います。
GIGAスクール構想の良いモデル
子供たちが
「授業がとても楽しい」
「iPadが楽しくて自分でやるようになってから、どんどん勉強が分かるようになってきた」
と話すのを聞き、GIGAスクール構想の良いモデルになるのではないかなと思いました。
あなたはタブレットを、どのように学びに活かしますか?