〔人一倍敏感な存在〕
5人に1人
あなたはHSP、HSCという言葉を聞いたことがあるでしょうか?
HSPはHighly sensitive person(人一倍敏感な人)、HSCはHighly Sensitive Child(人一倍敏感な子)を指します。
この人たちは五感が鋭く繊細で、刺激に強く反応を示し、感受性が強いという性質をもっています。
5人に1人はこの傾向があるとのことで、学校でもクラスに数名はいたと思うのですが、私は教員を辞めてからこの言葉を知りました。
どのクラスにもいる存在
思い返してみると、そういえばどのクラスにも、表れ方は様々でしたが敏感な子はいました。
当時、匂いに敏感な子や音に敏感な子は発達障がいではないかと言われていましたが、HSCは障がいではありません。
もしもあの子たちがHSCだったのなら、そしてあの頃の私にHSCに関する知識があったら、もっと生活しやすい環境をつくれていたかもしれないと思うと、申し訳ない気持ちになります。
生きにくさから生まれた言葉
HSPを考案したアーロン博士は、ご自身がHSCで、ずっと生きにくさを感じていたようです。
そしてアーロン博士の息子さんもまたHSCで、小さい時からテントの中にいると落ち着き、お出かけの時にもテントを持って回っていたという話を読みました。
HSP(HSC)を検索するとチェックリストが見つかるので、自分にもその傾向があるなと思う方は試してみてください。
外部の刺激に敏感に反応してしまうというのは、普段のどかな場所に住んでいる私が都会に行った時に、入ってくる情報が過多で疲れてしまう状態と似ているのかもしれません。
私の場合は都会で長く過ごしていれば慣れますが、HSPの場合は慣れることなく周りの刺激に敏感に反応してしまうのでしょうから、毎日の生活で疲れがたまるだろうなと思います。
周囲が気になる
学校生活がきつくて不登校になるケースもあるようです。
実際にHSPの方のお話を聴くと、心身を休めようとカフェでコーヒーを飲んでいても、周りの音や声が気になって気が休まらないとのこと。
周りの人が自分のことを噂しているような気になってストレスを感じてしまうので、一人でいるのが楽なのだそうです。
お子さんの場合は、楽しいところに連れて行っても、疲れの方が大きくて不機嫌な言動をしてしまい、周りをがっかりさせてしまうことがあるそうです。
楽しんではいるのだけれど、それよりもストレスや疲労の方が勝ってしまうようです。
対処を行い長所を伸ばす
HSP(HSC)は病気ではないので、治るとか軽くなるというものではありません。
- 本人が自分の性質を知ってコントロールすること(休憩をとる、自分は自分という境界線を引く等)
- 周りがその性質を理解して過ごしやすい環境をつくること
- 嫌なことを嫌だと言える関係を築くこと
が必要とのことでした。
HSPの方々は感受性の強さから芸術面で才能を発揮することが多く、言語能力にも長けているそうです。
そんな長所を見つけ、活かせると良いなと思います。
ロボットや機械にはない感受性という部分が鋭い人たちは、もしかしたらこれからの時代を担う人材なのかもしれません。
あなたやあなたの周りの方の感受性レベルはどのくらいですか?