〔広い視野で教育を考えよう〕
せっかくの資格がもったいないお話
先日、英語指導の資格をもつ方とお話をする機会がありました。
その方は英会話教室を経営されていて、小学校で英語科が必修化されるのを機に、小学校で英語を教えることができる資格を取得しました。
ところが、その方の住む地域では、教育委員会が
「教諭資格をもつ人でないと採用しない」
ということで、資格は取ったけれどそれを活かす場所がないそうです。
一方で、現役の先生からは、
「担任をもち、平常通りに仕事をしながら、英語指導の資格を取得しなければなりません。平日は帰宅後勉強し、土日も英語の勉強でつぶれています」
という話を聴きました。
せっかく英語指導資格取得のシステムがあるのに、結局は先生方に負担がいくのだなあと思いました。
英会話教室の先生は、実力も実績もあるので、忙しい先生がわざわざ資格を取りに行かなくても、十分に英語指導担当の役割を果たしてくれると思うのですが。
外部から人を受け入れられるか
これは教育委員会が決めることなので地域差があり、外部講師を受け入れているところもあるようです。
ただ、外部講師を入れることについては、現場の先生たちの抵抗があることも事実で、これは私が現役だった頃からずっとそうでした。
私が教員になった頃、ちょうど『モンスターペアレンツ』という言葉が出てきて、保護者に理不尽な批判をされるケースが目立ち始めました。
学校に関して何を見聞きしても悪いようにしかとらえず、教育委員会に訴えたり地域で悪口を広めたりする一部の人のために、私たち教員は保護者、教育委員会、地域の人々にいつも見張られているような気持ちになりました。
だから、参観日には教室の掲示や授業を時間をかけて準備しますし、子供たちには
「おうちの方にかっこいい姿を見てもらいましょう」
(内心は「保護者たちの前でボロを出さないよう、良い子にしなさい」)
と言い含めます。
「一学期に数回の参観日でさえ負担なのに、いつも教職員以外の方が出入りすると気を遣って疲れる」、
「なるべく教職員以外の人には校内の様子を見せたくない」
という心理が働くのです。
教室に入って読み聞かせをしてくれるボランティアさんにも
「入って欲しくない」
と言う先生たちがいるほどでした。
子供たちの健やかな成長を支援する
教員の負担が増えすぎていることが明らかな今、教員数を増やすことと同時に、地域の人材にやってもらえることを分担する方向へ、教職員自身も意識改革をしていかないとならないのでしょう。
そして、教職員がそう思えるように、保護者は日頃の指導に感謝をもち、学校に協力していく姿勢で接することが必要なのだと思います。
学校、家庭、地域には、
「子供たちの健やかな成長を支援する」
という共通の目的があるのだから、その一点で
「子供のためになること」
を考え、協力し合えると良いなと思います。
あなたが、子供のためにできることは何ですか?
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