子どもの自己コントロール力協会

【どのように政治に関わりますか?】

投票に行こう

〔選挙に関わる学習をみっちりと〕

福岡県下から集まったグループ

先日、博多市にある福岡県吉塚合同庁舎で行われた『政治学級活性化研究会』に参加してきました。
政治学級というのは、福祉、教育、環境など、身の回りの問題がいかに深く「まちの政治」に関わっているかを知り、政治への理解を深めるために学ぶグループです。

福岡県には現在、138の政治学級があります。
八女では市の社会教育課主体の政治学級に19名、自主学級に14名が参加しています。
今回は各地の政治学級のメンバーが集まって、主に、若者と選挙に関わる学習を行いました。

高校生への主権者教育の実際

午前中は元高校の先生でもある明治大学の藤井剛教授が、高校生への主権者教育についての講義をしてくださいました。
藤井教授から、主権者教育には『狭義の主権者教育』と『広義の主権者教育』があり、『広義の主権者教育』が大切だというお話があり、私が考えていたことと全く同じだったので嬉しくなりました。

これまで、選挙管理委員会による学校への出前授業は、児童生徒が興味をもちそうな話題(例えば給食のメニューについて)を取り上げて、投票ごっこをするというものが多かったと思います。
けれども、私はこういった授業では選挙の本質を教えられていない、と常々思っており、児童生徒たちが課題を捉え、問題解決の方法を考え、探り、討論し、実現した時にどんな課題が出てくるかをシミュレーションし、なんらかの行動をするような、長いスパンで取り組む学習が必要だと考えていました。

藤井教授によると、模擬投票などをして
「投票にいきましょう」
というのが『狭義の主権者教育』で、課題解決、思考・判断、行動力などの育成をするのが『広義の主権者教育』なのだそうです。

今、若者の選挙離れが問題視されていますが、投票を棄権する理由について分析をすると、大きく5つに分けられるのだとか。
その5つは、

  1. 「政治に関心がない」
  2. 「面倒臭い」
  3. 「どこに投票したら良いかわからない」
  4. 「自分の一票で政治が変わるとは思えない」
  5. 「住民票を移していない」

です。

現状への対策を考える

例えば、

藤井教授がおっしゃった
「社会科だけでなく、どの教科でも主権者教育はできる。行政だけでなく、様々な立場の人が主権者教育に関われる」
という話に大賛成です。
小学校教員時代は6年生の社会科で選挙を扱いましたが、詳しい話をする時間もありませんし、深い話をすると保護者から
「偏向教育だ」
とクレームが入りかねませんから、さらっと教科書をなぞる程度にしか指導していませんでした。
児童会選挙は、選挙の学習と位置付けた特別活動ですが、ほとんどの学校では人気投票に終わっているのではないかと思います。
これらをぜひ変えていきたいなと思います。

ネット上のサービスも活用して

私の娘によると、出される質問に
「賛成」「やや賛成」「中立」「やや反対」「反対」
を打ち込んでいくと自分の考えに合った政党、候補者を示してくれるネット上のサービスがあるそうです。

選挙に興味をもつきっかけとしては良いと思いますが、
「私、○○党だったー」
「私は△△党だったよー」
などと、まるで占いの結果を見るような利用に終わるのではもったいないなと思いました。
そこから更に内容に踏み込んでいける取り組みをしたいものです。


私は、今年から本格実施される小学校の新指導要領に入った、プログラミング学習が主権者教育に有効だと考えています。
子供や若者たちが、
「自分の一票で政治が変わるとは思えない」
という諦めを捨て、自分たちがどう行動するとどのような結果が生まれるかをシミュレーションし、
「自分たちが日本を変えるんだ」
という気概をもてるようになると嬉しいです。

あなたはどのように政治に関わりますか?

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